みなさんのお宅の猫は、ちゃんと毎日ウンチをしていますか?
猫を、いや、動物を飼う上で、その子のトイレ事情を把握することは、健康管理で最も大事ですよね。
ただ単純にトイレ掃除をするだけではなく、日々、排泄物をきちんとチェックしている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
私ももちろんそのうちの一人です。
特に我が家の猫は、子供の頃から便秘がちで、3~4日出ないなんて当たり前、やっと出てもコロコロの石みたいなウンチばかりで「今日は良いのが出たね!」なんてことは一度もありませんでした。
そんな子なのですが、食欲がなくなるとかぐったりするとか、そういうのが全くなくほとんど病気らしい病気をせずに、12歳になりました。
寝る時間は増えたものの、特に年齢を感じさせるようなところもなく、普通に普通に過ごしていたのです。
ところがそんなある日、夜中に何度も何度もトイレに入るのが見えました。
入っては出て、入っては出て…を繰り返し、時々、苦しそうな声で鳴く。
「ああ、また便秘か」「もうちょっとすれば出るだろう」しばらくはそんな軽い気持ちで見守っていたのですが…。
その日は違いました。
突然、トイレの外で吐き、そしてまたトイレに入って鳴き、また出てきては吐く。
それを見た瞬間、「いつもと違う!」と感じました。
猫が吐く生き物であることは、猫飼いでなくとも知っている事実です。
でも、続けて吐くのは異常ですし、何といってもトイレで何度も踏ん張っているのに出るものが出ないのは明らかにおかしいです。
明け方まで待つ、なんて悠長なことは私にはできませんでした。
即座にネットで調べて、夜間救急の動物病院に連れて行きました。
結果は…便秘。
お腹に固いウンチが詰まり、それで気持ち悪くなって吐いていた、とのことでした。
注射を2本、そして先生がネコの肛門に指を入れてウンチを掻き出したのですが…。
猫にとっては不快な行為でしかありません。
ちょっと手を離した隙に、大暴れ!!
先生と看護師さんに噛みつき、引っ掻き、まさに流血の大惨事。
飼い主の私でも手を出せないくらいに怒り、暴れる我が子の姿を見て、本当に胸が張り裂けるくらいに辛かったのを覚えています。
結局は何とか先生がウンチを掻き出してくれ、その日の治療は終わりました。
そして帰る前に、たっぷり一時間先生に説教をくらったのですが、それも当たり前のこと。
「猫の便秘は飼い主のせい!何でもっと早く、胃腸にいいフードに変えてあげなかったんだ!」
「猫っていうのは毎日ウンチをする生き物なんだよ!何にも出ないなんて苦しいに決まっているだろう!」
本当に先生のおっしゃる通りなのです。
ひとしきり怒った後、先生は医療用フードの試供品をくれました。
「これならウンチが出やすくなるから」と。
試しにそのフードに切り替えると、まぁ今まで見たことのない立派なのが出ること出ること。
フードひとつでこんなに変わるものなのか…。
なぜ、今まで食べさせてあげなかったのか…。
本当に心から後悔し、猫に謝ってしまったほどでした。
あれから一年。
ちょっと油断するとまた便秘気味になってしまうのですが、今でも療養食を食べているお陰で、以前のようにヒドイ事態にはならないで済んでいます。
それでも、毎日のトイレチェック、水を飲んでいるかのチェックは忘れないようにしていますし、ドライフードとウエットフードを組み合わせて食べさせるなどの工夫も欠かしません。
大事な我が子が苦しむことが二度とないように、最大限の気遣いをしています。
どうぞみなさんも、「たかが便秘」と思わずに、常日頃からしっかりとケアをしてあげてくださいね。
猫の健康を守れるのは、私たち飼い主だけなんですから。