2000年にハナは我が家にやってきました。病気で早期退職した両親が、しばらく療養ののち、自分たちのリハビリにもなるんじゃないか…と飼うことを決めたのがきっかけでした。

それまでは金魚と熱帯魚、鳥しか飼ったことなかったですが、両親は私と姉のわが子よりもハナを可愛がっていました。

ハナは柴犬の血が入った雑種でしたが、とても可愛くどんどん大きくなり、最終的には家の中で飼う大きさではないのに、両親は最後まで家の中で飼っていました。

あまりにも溺愛しすぎて、ハナにせがまれると人間と同じ食べ物をあげてしまいます。それが続くとハナは味を覚えてしまって、ドッグフードなんてなかなか食べない犬になってしまいました。

結果、食事と加齢がハナを病気にしました。人間と同じで、糖尿病と白内障になりました。なにせ、焼き鳥大好き、ソフトクリームを舐めている姿を見たときはビックリしました。

糖尿病は最終的には医者からインスリン注射を勧められました。食事のときに、父が犬用のインスリン注射をハナに打っていた光景は忘れられません。

老化と糖尿からくる白内障で目は真っ白になりました。もともと黒目が大きなハナだったので、本当に真っ白目でした。見えないので家の中でもぶつかって歩くようになりました。

目が見えない分、耳が敏感になるのでしょうか。ちょっとした物音に驚くようになりました。だんだん動くのを億劫がるようになり、排泄が間に合わなくなり、あちこちで漏らすようになりました。

医者に犬用おむつを勧められ、毎日可愛い服の代わりに白いおむつを穿いていました。父がおむつの世話をしていました。

『はなー』と声をかけながら、まるで赤ちゃんの世話をしているようでした。あまり動かなくなり、動かないから、動けなくなり…。

じっとしている時間が長くなりました。病院の先生には『認知症』も発症していると言われました。酷いときは同じところでひたすらぐるぐる廻ったり、犬ではないような鳴き声でひたすら吠えたり…。

人間の認知症と同じです。本当に驚きました。そして、はなはガンにもなっていました。食欲もなくなり、お水も飲めなくなっていきました。

最後にあまりに食べないので医者に連れていき、点滴をしてもらって少し回復、落ち着きました。その夜は病院に入院させることになり、両親は一度家に帰ってきました。

そこから数時間後に病院から電話があり、はなの容態がかわったとのこと。両親は急いで駆けつけ、はなとお別れをしました。

享年18歳です。人間にしたらすごい長生きです。今は仏壇の遺影で両親と共に過ごしてくれています。

両親はもう犬は飼わない、はなが寂しがるからと言っていました。