12歳で天国に昇ったニャンニャン(ニャンコの意味ではなく名前です)が、ウチの飼い猫になったのは多分生後3~4ヶ月ぐらいの頃でした。

細身で小柄な、お澄まし顔がちょっと美人女の子でしたが、田吾作オジサンみたいにお口の周りが丸く茶色なのがご愛嬌の可愛いニャンコでした。
出会いは春先のある休日の昼間でした。テレビを見ていると、開け放しの窓の外で「フーッ」「ワォ~ン」という猫同士の喧嘩の威嚇声。

覗いてみると、お向かい宅の飼い猫のチルおばさんがウチの植え込みの奥に向かって吼えています。
外に出て覗いてみると、まだ大人になり切っていないキジトラが植え込みの下に追い詰められていました。

それがニャンニャンでした。
私はチルおばさんを追っ払ってニャンニャンを室内に緊急避難させました。
物怖じしないニャンニャンは、怖い目にあった直後にも拘らず初めての部屋の中を興味深そうにうろついて嗅ぎ回っていました。

その様子を見ていた私は、何の前触れもなく「飼おう!」と突然に思ったのです。
それまでも何度か迷い猫があって、大の猫好きな私は其の度にそんな猫の相手をしてきました。

でもペット禁止の借家だったので、1時間ほど遊んでは「ごめんね」と外に出し「入れて~」と鳴く猫の声が聞こえなくなるまで耳を塞いでじっと耐えていました。

それなのに何故ニャンニャンの時は何の迷いもなく飼う事を決めたのか、今でも自分自身で不可解なのです。
大家さんにはわからないだろうと根拠もなく思ったのも不思議です。

敢えてその理由を説明するとしたら、私とニャンニャンは「赤い糸」で結ばれていたのだろうと言うしかありません。
きっと運命だったのですね。