私が小学生の頃、同居している祖父母が飼っていたビーグル犬の女の子モモ。
私より年上のモモは私が物心ついたときには、もうすでにイチバンの遊び相手でいました。

モモが12歳になった頃、左前足の付け根のところにシコリのような膨らみができ、日とともにどんどん大きくなっていきました。病院で検査をしてみると、それはなんと癌とのこと。

すぐに癌の切除手術が行われ、数日の入院ののち帰ってきたモモの首にはエリザベスカラーが。傷口は縫われてまだ痛々しく、傷口付近の毛は剃られてツルツルになっていました。

エリザベスカラーはかわいいけれど、初めてみるモモの姿に少しショックを覚えました。いつも元気で走り回っていたモモが傷口が痛いのかあまり動かないようになり、散歩も行きたがらなくなりました。

小学生だった私は癌の事はよくわからないけれど、モモの12歳という年齢もあり なんとなくお別れが近いような気がして、帰ってきたその日からなるべくモモと一緒の時間を過ごすようになりました。

学校から帰ったらエリザベスカラーで毛繕いがしづらいモモの代わりにブラッシングをしたり、水やオヤツをあげたり、一緒にボーっとしたり(笑)のんびりした時間を過ごしました。

薬は祖母がご飯に混ぜて飲ませていたのですが 錠剤のその薬はあまり美味しくないのか、ある時それに気づいたモモはあまりご飯を食べなくなってしまったのです。

大好きな魚肉ソーセージに入れても食べないので家族みんなが心配していました。

少しでも長生きしてほしい、傷が良くなるように祖母、祖父があの手この手で薬を飲ませようとする中、試しに私が手から直接薬入り魚肉ソーセージをあげてみることにしました。

鼻を近づけ匂いで薬が入っていることに気づいたモモは一度は拒否するも 少し戸惑った末いやいやながら、ゆっくり少しずつ薬を飲んでくれたのです。

それはとても嬉しい瞬間でした。それからも家族の誰があげても飲まない薬を私からだけは飲んでくれるように、、!

なんとなく私の愛情が伝わっている気がして、とても喜ばしかったのを覚えています。 言葉の通じない動物も自分が行動で愛情を示せば、それなりに理解し、こたえてくれるというのが分かった貴重な日々でした。

残念ながらモモはその1年後に亡くなってしまいましたが、癌に気づいた事で一緒に過ごす時間を大切にでき、絆も深めることができました。あれから20年経ちますが今でも大切な思い出です。