前の職場で可愛がられていたサバトラの女の子が妊娠しました。まだ、1歳を迎える前でした。

その子は人懐っこく、食いしん坊な性格でしたが、他の猫にあるザラザラの舌ではないため、免疫力が弱い子と動物病院では言われていました。なので、無事に出産できるのか、耐える事が出来るのか心配でした。

おなかも大きくなった頃、猫に詳しい職員さんが産箱を作ってあげた方がいいという事で、ケージに産箱を作りました。

しかし、ケージに入った事がないため、その子は大変怒ってしまい、産箱や中身も破壊してしまったので、やむなく外に戻しました。

その日の夕方、私が外に行って猫達にごはんをあげていると、少し離れたところから猫の大きな鳴き声がしました。心配になってあの子かな?と思い、名前を呼んでみました。すると、その子が物陰から現れました。

よく見ると、お尻のところから何かをぶら下げて私の方へ向かって来ます。まさかと思い、近寄ると、生まれたばかりの子猫のへその緒が切れずに引きずられている状態でした。

一瞬パニックになりましたが、赤ちゃんとその子の命を守らないといけないと思い、とっさにその子の背中を掴んでへその緒を引っ張りました。しかし、力加減が全く分からず、取れません。

どうしようかと思ったところ、その子が少し高めに設置してある猫用のスペースに飛び乗ったはずみでへその緒が取れました。

急いで赤ちゃんを取り上げると、その子は手のひらに収まるほど小さかったです。

とりあえず、その子を安全なところに置いてあげようと思い、ダンボールで作った即席ハウスのうちの1つの中を覗くと、他にも3匹の赤ちゃんが入っていました。

それにもまた驚きましたが、とりあえず赤ちゃんを兄弟のところへ置いて、猫に詳しい職員さんを急いで呼びに走りました。すぐに、その職員さんと何名かが集まり、赤ちゃんの様子を見ました。

へその緒は、職員さんの指示に従って切ることになりました。まず、アルコール消毒液とはさみを持ってくるように言われたので持って行きました。
その後、その方が赤ちゃんを支え、もう一人がへその緒を切り、何とかその場は収まりました。

仕事終わりにダンボールハウスをのぞいて見ると、みんなお母さんのお乳を一生懸命飲んだり、ゆっくり動いてみたりしていました。取り上げた子も、落ちた振動で異変がないか心配でしたが、その子もお乳を吸っていて安心しました。

その後は4匹ともすくすくと成長していきました。私たち職員は、たまに市販の猫用のミルクを飲ませたり、目やにを取ってあげたりなど、色々な方法で子育てを見守り、手助けをしました。

特に私は取り上げた子が可愛くて仕方がなく、勝手にツナと名付けて可愛がっていました。生後3ヶ月頃、母ネコと同じ柄の子を残し、他の子は新しい飼い主さんの元へ引き取られました。

職場に残った子はオスだったので、1歳を過ぎる前に母ネコよりも大きく育ち、とても人懐っこい猫に成長しました。また、どこかから迷い込んだ子猫を自分の弟のように可愛がり、いつも一緒に遊んでいました。

他の3匹とも、幸せに暮らしていることを願っています。