同じ哺乳類なんだから、人が食べて大丈夫なら犬も大丈夫なんていう理屈は通りません。

魚類ほどは離れていないにしても、遺伝子だって100%一致している訳ではありませんし、人と犬では必須アミノ酸も違えば、ビタミンだって違います。

だから、普段我々が平気で口にしている食べ物が、実は犬にとっては毒だったり、大の苦手だったりといったものが我々の周りには沢山あります。

そうした食べ物などをランク分けしてリストアップしてみました。我々の周りに溢れ返っている日常の当たり前の食べ物でも、犬達にとっては死に至る恐れがあるものだってあります。

■犬に与えてはいけない食べ物

◆危険度・大:重篤な症状を呈したり、死に至る恐れがある食べ物
ネギ類、キシリトール、カカオ類・チョコレート、人間用医薬品・サプリメント、ブドウ・レーズン、アボカド、マカデミアナッツ

◆危険度・中:摂取量や犬の状態によっては危険な食べ物
ニンニク、アワビ、スルメ、豚肉、硬い骨、アルコール、カフェイン、一部のキノコ、イーストのパン

◆危険度・小:少量なら害はないが、多量だと健康を害するかもしれない食べ物
消化性の悪い食べ物、生卵、イカ・タコ・貝類、青身魚、レバー、ナッツ類・ココナッツ、柑橘類、ホウレン草、野菜類、おから

■危険度・大の食べ物について

◆ネギ類
ネギ類の中では特にタマネギによる中毒をよく耳にしますが、タマネギといえば、我々人の間ではもっぱら血液サラサラの健康食材として知られています。

しかし、タマネギの辛味成分であるアリルプロピルジスルフィドなどの有機硫黄化合物は、犬の赤血球を破壊してしまうため、貧血を起こすことがあり、食欲不振、下痢、嘔吐、黄疸、血尿などの症状が現れたり、貧血のため歯茎が白くなったりします。

すき焼きの残り汁を与えて中毒を起こしたという例もあり、加熱したからといって安全ではありません。体重1Kg当たり15~20gが致死量と言われていますが、犬種差や個体差が著しく一概には言い切れません。

◆カカオ類・チョコレート
カカオやお茶などに含まれるアルカロイドの一種であるテオブロミンは、人ではチョコレートやココアなどの加工食品として摂取されますし、精製品については血管拡張剤や利尿剤など医薬品としても使われています。

しかし、犬の場合はテオブロミンの代謝速度が人に比べて遅いため、チョコレートに含まれるような量でも中毒を起こしてしまいます。

消化不良、脱水症状、過剰な興奮、心拍数の低下などの症状が見られ、重症では痙攣発作を起こして死に至るケースもあります。
小型犬ではチョコレート約50gが、大型犬では約400gが中毒量と言われています。

◆ブドウ・レーズン
ブドウやレーズンが、犬達に中毒を引き起こすことが知られるようになってきたのは比較的最近の話です。症状としては、嘔吐、下痢を繰り返し、重い場合には数日後に腎不全を起こし死に至ることもあります。

まだ原因物質は特定されていませんが、体重1Kg当たり約32gが中毒量と言われています。

◆アボカド
アボカドにはペルジンと呼ばれる物質が含まれており、これが犬達にアレルギーを起こしてしまいますが、食べたら全てがアレルギーを起こす訳ではありません。

人でもアレルギーを起し易い人とそうでない人がいるように、犬達の場合でも同様です。症状が出なかったり、軽くて済んでしまう場合もありますが、反面、死に至るようなケースもあります。

症状としては、嘔吐、下痢、呼吸困難、うっ血、痙攣などです。アボカドには種類が沢山あり、中でも日本で主に売られているグァテマラ種にはペルジンが多く含まれているので注意しましょう。

◆マカデミアナッツ
マカデミアナッツによる中毒症状は、食べてしまってから半日程度で現れ、2日程度続くことがあります、症状としては、虚脱、嘔吐、運動失調、後肢の不完全麻痺、震え、発熱などです。なお、原因物質についてはまだ特定されていません。

◆キシリトール
キシリトールは低カロリーの甘味料として各種食料品、デンタル用品、サプリメントなどに広く使用されています。

キシリトールは人には安全ですが、犬達がキシリトールを摂取すると膵臓からインシュリンを大量に分泌させてしまい、急激な血糖低下を来し、肝不全や肝臓壊死といった重篤な健康被害を招いてしまいます。

摂取後短時間で嘔吐、ふらつき、虚脱、痙攣などの症状が現れ、1日以内に死に至る場合もあります。キシリトールの犬達に対する有毒性については2016年にFDAが警告を発しています。

◆人間用医薬品・サプリメント
食品などと同様に人に対しては安全でも、犬達にとって安全とは決して言えません。犬専用の医薬品、サプリメントを使いましょう。

■中毒を起こしてしまった時の対処

もし、犬達に与えてはいけない食べ物を誤って与えてしまったり、或いは不注意から犬達がそうしたものを食べてしまった場合には、直後であれば吐かせるのが基本的な処置になりますが、素人にできることは何もありません。

自分で処置をしようなどと考えずに、出来るだけ速やかに近くの獣医に相談することです。

そして、その際には、犬達が「何を」、「何時」、「どれくらいの量を」食べてしまったのかを正確に伝えましょう。そうした時のためにも、事前に近くの動物病院へのアクセスや電話番号などの情報を調べておくとよいでしょう。

■最後に一言
上に記載したような食べ物は犬達に与えないのは勿論ですが、誤って犬達が食べてしまわないように、注意を払うことも大切です。
そして、我々と犬達とは基本的な食性が違っていて、そのことによる生理的な特性も違っていることを、生涯一緒に過ごすパートナーとして理解してやることが大切です。

上に記載したような食べ物による犬達の健康被害は、最も極端で特殊な例です。犬達は我々のような雑食ではなく、オオカミにルーツを持つ肉食の生き物です。腸が短く繊維質の消化が不得意です。

アミラーゼ活性も低く炭水化物の消化には適していません。我々とは随分違います。家族として犬達と一緒に暮らすためには、ルールを作り一貫してそれを守り、犬達にもそれを理解させることです。

安易に自分の食べ物を与えることは決して犬達のためにはなりません。