小学生の頃から動物が好きだった私は小鳥の十姉妹を飼っていました。最初は雄雌のつがいを一組買って来ました。

十姉妹は子育てが上手で、藁製の壺型の巣を入れてやると何度でも卵を産んでは雛を育てます。

鳥籠が十姉妹の親子で満員になったので,私は家の外壁際に高さ約1.8m、奥行き約0.5m、幅約1mの、小学生が作ったにしては結構本格的な鳥小屋を作りました。

4本の柱を立て金網を張りました。
その当時、エサ入れなどの出し入れ口が付いた、鳥籠の1面だけの金網を金物屋さんで売っていたので、それを取り付ければ万全です。

下部には糞掃除用の扉も付けていました。
私は子供の鳥はその鳥小屋に入れて、親鳥だけを元の鳥籠で飼っていました。

小さな卵を温める親鳥。赤い肉の破片の様な雛。
親が粟や菜っ葉をせっせと運んでは口移しで雛に与えます。剥きだしの雛の肌越しに透けて胃袋に入った粟の粒々が見えます。
やがて雛の目が開き、羽毛が生えて成長していきます。

そんな生態を見るのが面白くて、餌や巣を購入している鳥屋のおじさんに聞いて、子育て中は卵の黄身を混ぜ込んだ剥き粟を与えるといった工夫もしていました。

結果どんどん鳥は増えていって鳥小屋も満員状態になり、そんな話をおじさんにすると、一度その十姉妹を見せる様に言われました。
持って行くと、おじさんが買い取ってやると言ってくれたのです。

飼い方が良いから綺麗な鳥になっていて十分売り物になるというのです。
多分、二束三文の安い値段だったのでしょうが、増え過ぎてちょっと困っていた上にお小遣いも稼げるとあって、

中学生になる時に飼う事を止めるまで、私は鳥を増やしてはお店にそれを持ち込む事を続けました。
今考えれば、小学生の私は十姉妹の立派なブリーダーでした。