アメリカンショートヘア、2歳。名前はエンジェル。毎日何でもおもちゃにして走り、じゃれていた子が、冷蔵庫の横でじっと背中を丸めたまま動かない。

食べない。動物病院に電話すると直ぐに連れてくるように、とのこと。一通りの検査の後、酷い貧血だと言う。クレアチニンの数値が高すぎる。その日から点滴と注射の毎日が始まった。

造血ホルモンであるエリスロポエチンを促進させるための注射である。2週間程経った頃、先生は言った。「効果が無いので在宅で点滴打ちますか?」つまりは、もう出来ることは何も無い、最後を自宅で看取って下さい、と言うことである。

その瞬間から、この子の死が、現実味を増した。何故こんな事になってしまったのか。
数週間前まであんなに元気に走り回っていたのに。確かにあちらこちらでオシッコをやらかしていたけれど、私は老犬の介護で頭がいっぱいだったから、私の注意を引こうとしているのだと、思い込んでいた。

何故早く気付いてあげなかったのかと、後悔の日々。せめて最後は安らかに逝かせてあげようと、点滴の注射のやり方を教えてもらう。恐々針を刺す。点滴をすると少し調子が良くなるようだ。

後悔と懺悔、死に対する心の準備。そして休んでいた仕事も少しずつ再開する。
半日だけの仕事を入れていく。ある日仕事がキャンセルされた。ふと、セカンドオピニオン、と言う言葉が頭に浮かんだ。

街の動物病院をネットで調べる。口コミみ調べる。駄目もとで電話をし、症状を説明する。

聞くと今日は予約で一杯。食い下がる。かなり強引に先生と直接話させて欲しい、と、私1人で病院に向かい、予約の合間の時間を待たせて貰う。やっと先生の時間ぎ空いた。

これまでの検査結果全てを見せ、余命1ヶ月ち宣告されたことを伝え、先生の言葉を待つ。

「連れて来られますか?もう少し検査しましょう。」光が一筋見えた。

翌日、エンジェルのレントゲンをとり、血液検査が始まった。数時間後、先生の言葉に救われた。

「もう少し何かできるかも知れません。尿道に石があるので、手術しますか?」貧血を改善するため点滴を続け、その後手術を受けた。

今、エンジェルは3歳半。尿道を拡げる薬と腎臓の薬、朝晩欠かさずのみ、今はその薬も腎臓のみに減った。朝、私が二階から降りてくると、寝床から飛び出してくる。

元気にテーブルに飛び乗り薬を飲むため、私の元に駆け寄ってくる。偶々、仕事がキャンセルになり、偶々セカンドオピニオンということを思い付いた。それが今の回復に結びついた。運命の分かれ道。