私が以前働いていた職場(福祉施設)で飼われていた犬に起きた事です。犬はミニチュアダックスのオスで12歳のおじいちゃんでした。

性格は気が強く、わがままなところがありますが、近くに住むねこと仲良く遊んだり、お昼寝をしたり、心を許した人には甘えてくる、そんないいところもある憎めない性格の犬でした。

数ヶ月前に突然首のヘルニアを発症し、一度は寝たきりになり命の危険もありましたが、職員と利用者さんとマッサージをしてあげたり懸命に世話をしてあげたりするうちに、だんだん動けるようになり、気づけば元の生活に戻っていました。

ある日の朝のことでした。私が出勤するといつもであればおなかがすいてワンワン吠えているのに、その日は静かでした。

その犬は機嫌が悪いと朝静かな事が多いので、私はまた機嫌が悪いのか…と思い、しばらく様子を見ることにしました。

しかし、時間が経っても静かなままです。機嫌が直れば呼ぶのに全く鳴きません。さらに、毎朝排便をしているのにその形跡もありません。おかしい、と思いケージを覗くと昨夜の食事が残ったままでした。

それから、夜勤者といつも面倒を見て頂いている利用者さんに夜にごはんをあげたか聞いてみたところ、誰もあげていないというのです。

その利用者さんと一緒に犬の様子を見てもらい、大好きなレバーのおやつをあげたところ、それは食べたのですがまたうずくまってしまいました。
これは本当におかしいと思い、犬に触れると体がいつもより冷えていました。

大変な事になったと気づき、とりあえず毛布をかけ、ペットボトルで即席の湯たんぽを作ってそばに置き、休み中の上司に連絡しました。

その後、上司に様子を見てもらい、病院に連れて行こうということになりました。

病院で診察を受けたところ、首のヘルニアの再発ということでした。その日は入院をせず、点滴を打ってもらい、錠剤を処方され、その後回復しなければまた連れてくるように言われました。

その後、職場に連れて帰り、ケージの中に入れて寝かせました。すると、時間の経過とともに音のするほうへ振り向いたり、少しずつ足を動かすようになっていきました。

そして、昼過ぎになって食事を与えてみるといつものように食べ始めました。そして、夕方に排便もありました。そして帰るころには、いつものように鳴くようになりました。

点滴の効果がすぐに現れたようで、職員も利用者さんも安心しました。それでも私は点滴の効果が切れたら戻ってしまうのではないか心配でした。しかし、それから元気を取り戻して歩き回ったり出来るようになりました。

その後は、あの時のように強い症状は出なくなったものの、ヘルニアはいつ再発してもおかしくないということで同じ錠剤を調子の悪い時に飲ませるように指導がありました。

私たちはいつも薬を飲ませるときは大好きなレバーのおやつ等に錠剤の1/2を差し込んで飲ませています。

それから何日も様子を見ていると、何回かヘルニアの症状が出てしまいました。そこで記録を残してみたところ、ヘルニアの症状の出る前触れが分かり、前日に排便がない、食欲がない等の異変が見られることが分かりました。

そこで、症状の前触れが見られたときには薬を飲ませるようにしたところ、ヘルニアの起こる頻度は減りました。

今はその職場を辞めてしまいましたが、その犬がヘルニアと闘いながらも元気に楽しく過ごしていてほしいと願っています。