ハムスターを初めて飼った時の話です。友達の家でハムスターの子がたくさん生まれたので、1匹いただいてきました。小学生だった私はとても嬉しく、だんだんなついてきたハムスターを毎日ゲージから出して遊んでいました。

そのうちハムスターにお気に入りの場所ができ、ゲージから出すと必ずそこへ行くようになりました。

電気炊飯器の下です。高さ2センチほどの、わずかな隙間に、体を平べったくしながら潜りこむのです。暖かくて居心地が良いのでしょう、入ると自分から出てくることはほとんどありません。

しばらくしたら私か母がお釜を持ち上げて、ハムスターをゲージにもどす日が続きました。そんなある日のこと、私はいつものようにゲージの扉を開けて、ハムスターを出してやりました。例によって、一直線に炊飯器の下を目指すハムスター。

ちょっと炊飯器の位置がずれている気がして、場所を調整しがてら、私は何気なく炊飯器を持ち上げました。「さぁお入り」ハムスターがいつもの場所に落ち着いたと思い、私は静かに炊飯器を置いたのです。

数分後、一緒に遊ぼうかと炊飯器を持ち上げた私は「?」。ハムスターの周りに水たまりが。かわいそうな我が家の初代ハムスターは、炊飯器に押し潰され、既に息絶えて失禁していたのです。

高さ2センチの隙間があるといっても、それは底面のほんの一部の話。少しでも場所がずれれば、小さなハムスターといえども十分な高さではなかったのでしょう。

静かに炊飯器を下ろしたあの瞬間に、私がハムスターを殺してしまったのだと知り、私はいつまでも号泣したのでした。