亡くなって7年近く経ちますが、以前、雄のゴールデンレトリバーを飼っていました。妻と映画を観に行った帰りに、同じショッピングモールの中にあったペットショップで彼と出会い、一目惚れ。

小さい頃から犬を飼うのが夢だったので、後先の事を深く考えずに購入し、その日のうちに自宅に連れ帰りました。

当時はまだ夫婦二人だけだったので、彼は子ども同然。とてもやんちゃで、食いしん坊で、おおよそ、ゴールデンレトリバーのイメージとはかけ離れた性格でしたが、ご近所さんにも可愛いがられ、幸せな時間を過ごしていました。

毎年四月には、狂犬病やその他の予防接種を受けに、かかりつけの先生に診ていただき、いつも学会で発表したいのでと、レントゲン撮影に協力するぐらいの健康優良児でした。

彼が我が家に来て6年が経ち、私たちに待望の赤ちゃんがうまれました。
はじめは小さなその存在に違和感を覚え、そわそわしていた彼も、すぐに興味を持ち出し、愛らしい視線を息子に向けてくれるようになりました。

あと数年経つと、きっと息子のいい遊び相手になってくれるはず。そんなささやかな願望は、すぐに打ち砕かれてしまいました。

ある朝、いつものように食事を与えに行くと、のそのそと私の方に歩いて来ました。普段は食欲旺盛なので、飛びかかってくるような感じなのに、どうも変です。

しばらく様子を見ていましたが、食べる速度も遅く、ついには残して、そのまま座り込んでしまいました。食あたりでも起こしたのかな。とりあえず病院に連れて行くことにしました。

その日は血液を採取され、検査の結果を待つことに。
後日、改めて検査の結果を聞きに行くと、癌宣告を受けました。
つい一か月前の定期健診では何の異常も見当たらなかったのに。頭の中が真っ白になり、絶望感でいっぱいになりました。

その後、先生の説明を受け、抗がん剤治療に取り組むことになりましたが、なかなか数値が良くなることはなく、約4カ月間の闘病生活の末、自宅で息を引き取りました。

享年7歳。大型犬の寿命は平均10歳と聞いていたので、早い別れとなりました。

息子はその時、まだ6か月の赤ん坊だったので、彼と一緒に過ごした日々の事は何も覚えていません。

そんな息子もこの春、7歳の誕生日を迎え、小学生になりました。

我が家には今も、生まれたばかりの息子と夫婦、そして彼の3人プラス一頭の家族写真が飾られていて、そのせいか、最近息子がワンちゃんを飼いたいと、妻に訴えるようになりました。

彼が亡くなって、もうすぐ7年ですが、未だに失った悲しみが癒えていないため、息子の要求は却下され続けていますが、今、彼が生きてくれていたら、息子の生活がどれほど豊かになったことか。
残念でなりません。