私達の家族だったラッキーは静かに息を引き取りました。 | 犬猫の医療用医薬品取り扱い!個人輸入代行業者を比較!

コラム

長男が小学校の3年生の時でした。長男と仲の良かった近くの女の子が家に来て話しました。近くの家で子犬が産まれたよと。長男とその子は毎日自転車に乗ってその家に出かけました。

毎日毎日子犬たちを見に行ったのでした。ある日長男が私たち夫婦の前でかしこまって言うのです。犬を飼ってもいいか、僕が全部面倒を見るからと。

あまり自分から何かが欲しいとか、自分を表現することが上手な子ではありませんでしたので私たちは驚きました。長男の顔は真剣でした。私は本当に責任を持って飼えるのかと聞きました。長男は深くうなずいて、うんと返事しました。

黒い子犬をしっかり抱えて息子が帰って来ました。その夜子犬はくんくんといつまでも鳴いていました。母親と離れさびしかったのでしょう。息子は添い寝をしました。

多分朝まで傍にいたのでしょう、翌日眼が真っ赤でした。ラッキーと息子が名づけた子犬メスでしたが活発で人懐こい犬でした。隣には駅伝の選手が住んでいました。

 

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彼はラッキーと毎日長距離を走りました。ラッキーのおしりの筋肉はモリモリとして来ました。そんな日々もあっという間に過ぎて、私たち家族は転勤で引っ越しました。

自然豊かな土地で生まれ育ったラッキーは新しい市街地の生活にすぐなじみました。猟犬の血をひいていましたので、吼える犬でした。躾けたつもりでしたが、来る人来る人に吼えては私に叱られました。

我が家の子供たちが散歩に連れて行くようになりました。日々は過ぎて、ラッキーが10才になろうとした頃でした。次男が言うのです。ラッキーを散歩に連れて行くと必ず途中でへなっとなってしゃがみこむよと。

あまり気にはしなかったのですが、長男もそう言いました。それからひと月ほど経ったある夏の日、お客さんが来ました。ラッキーが吼えないのです。

お客さんが帰った後、犬小屋のそばを見ると、土の上に腹ばいになり、前足をそろえるようにしてその上に顎を乗せているのです。初めて見る姿でした。

近づいてそばに行き名前を呼びました。あんなにいつもは喜んで甘えるのに見向きもしないのです。私はただ事ではないと思いました。すぐに首ひもを外して抱き上げて、車に乗せて近くの動物病院に連れて行きました。

診察台に横たわったラッキーの息だけが聞こえました。医師が聴診器を当てます。私にも聴くようにと医師が言いました。雑音が聞こえました。医師もそのことを指摘して言いました。重篤な心臓弁膜症ですと。私は驚きました。

あんなに元気に走り回っていたラッキーが病気になっていたとは思えませんでした。医師はこうも言いました。

 

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散歩などで足に力が入らないことはありませんでしたかと。その通りでしたと私は答えました。ラッキーはもう歩けませんでした。

私は抱き上げ自宅まで車に乗せ、涼しいタイル張りの玄関にそっと横たえるように寝かせたのです。初めは流動食を食べさせました。だんだん食べなくなりました。

太めの注射器に流動食を薄めて口に当ててみました。少しずつ舐めました。だんだん水しか受け付けなくなりました。何度も口元に水や流動食を近づけてみました。

だめでした。ラッキーはあの日のように前足を前に出して揃え、その上に顎を乗せました。そして子供たちもいない午後静かに息を引き取ったのでした。高校2年生の娘が帰って来ました。

ラッキーの姿を見てすぐに悟ったのでしょう、声をあげて泣き出しました。学生だった長男も遠くから帰って来ました。次男も帰って来ました。私、長男。長女、二男この四人でペット霊園で最後のお別れをしました。

妻は間に合いませんでした。ラッキーとの思い出は私たち家族にとって、大事な大事なものです。

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