生死を彷徨った猫

コラム

現在一緒に住んでいる♂猫くんは、9年ほど前に我が家へやって来ました。生まれてどれくらい経っているのかわからなかったけれど、栄養不足気味のようで大きさはそんなに大きくなりませんでした。性格は大人しく、一人遊び?より『構ってちゃん』な性格で、あとは食いしん坊です。

私が仕事から帰ってくると、階段を駆け下りて『おかえりニャア』…と挨拶してくれる可愛い猫くん。そんな猫くんですが、今から2年程前の10月のある日、いつものように仕事から帰り玄関を開けた私の元へ、走ってくる姿がありませんでした。あれ?おかしいなぁ…と思いながら2階へ上がって名前を呼ぶと、いつもとは違う鳴き声が寝室の方からします。

寝室へ行くとベッドの上で、ひっそりとしていた猫くん。私は声を掛けながら抱き上げ、隣の部屋へ連れて行き床の上にそっと下しました。すると、変な動きをしだした猫くん。後ろの両足が麻痺しているかのように引きずって歩きだしたのです。そこでやっと異変に気付きオロオロするばかりの私。動物にも夜間病院や救急病院がある事も知らず、その日は一緒にお布団に入りました。
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次の日の朝、昨日の夜の出来事は夢だったのでは…と思い目覚め、猫くんを床に置いた私。再び、彼の後ろ足は麻痺したまま、引きずられていました。私は、仕事場へ電話を入れ事情を説明し、家の近所にある動物病院へ朝一番で連れて行きました。先生からは「非常に危険な状態なので、早めに大きな動物病院で診てもらった方が良い」と言われました。

私の頭の中では、『病院で診て貰ったからもう大丈夫』…と少し安心している部分があったのですが、先生の言葉を聞いて再びショックを受けました。「今直ぐにでも連れて行かないと、手遅れになりますよ」‥‥。

私は家に戻って先生から教えて貰った大きな動物病院へ電話をしました。家から車で30分程のところにある動物病院へ連れて行き、待っている間も何処かしんどそうな猫くんの様子に祈る気持ちで一杯でした。意識が遠のいているのか、開いている目にも力がなく弱弱しさを感じました。診察で言われたのは、「両足への血流が、腰の辺りで止まっているようです。
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血栓を溶かす薬を注射して様子を見ましょう。」生まれて初めての病院で、血液検査や注射をされ、その日から入院生活が始まりました。入院2日目、私は病院の面会時間に間に合うよう職場を出て、バイクをかっ飛ばしてギリギリセーフで病院へ行きました。

猫くんの様子はそんなに良好とはいえませんでした。3日目、病院から連絡が入り「おうちで食べているフードを少し持って来て下さい」とのこと。私はウェットのカルカンを持って行きました。病院で器を借り、他の猫が見ている中で食べさせるのは非常に気が引けながら食べさせました。

最初は、食欲なさげだったのですが、周りの猫たちの欲しがる声を聞いてか一口…二口…とゆっくり食べてくれました。
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次の日に面会に行くと、峠は越えたように元気が少し顔を覗かせていました。先生から次の日、退院許可を貰い久々の我が家へ戻った猫くんの表情に、ちょっぴりホッとしているように見えたのは私がそうだったからかもしれません。病院へはそれからも1か月程、週に3回の通院が続きました。

ペット保険に入っていなかったのでかなりの痛手ではあるけれど、小さな命が助かって本当に良かったと思います。同じ日に同じ状態で入院した猫さんは、空の上のお星さまになってしまったと聞いた時には、びっくりしました。我が家の猫くんがそうならなかったのは、何かに守られていたのでしょうか?今ではすっかり元気になって、それまで以上に甘えん坊になっています。

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