災害時、エキゾチックアニマルとどう避難するかーハムスターを例としてー

コラム

この度の熊本地震では、多くのペット連れの避難者が行き場を失った。環境省や県は「同行避難」を推奨したものの、市町村単位で受け入れ拒否が起こったためだ。動物病院やペットホテルなど民間の施設の方々が無料預かりを開始したり、NPO法人のペット連れ専用なども開始されたが、足りてはいないようだ。

ペットとしての飼育頭数が多いのは間違いなく犬・猫である。一般社団法人ペットフード協会が5万人を対象にして行なったペット現在飼育状況の調査結果(2015年)によれば、13.9%が犬を、9.6%が猫を飼育していた。ハムスターなどは項目として立っておらず、その他のペットに分類されると思われる。

当事者の少ないペットは問題として取り上げられることは少ない。現状、報道されているのはほとんど犬猫とその飼い主の問題である。
エキゾチックアニマル、などと分類される動物―つまり、ハムスターやハリネズミといったペットとしての歴史の浅いもの―は、外見の可愛さもあるが、匂いの少なさ、鳴き声が静か、といった理由で人気が高い。

しかし平時から病気等のイレギュラーがあるととても難しい動物だ。飼育例が少なく、ちゃんと診察できる獣医者は少ないのである。

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これが非常事態になるとどうなるか。ペットの中でも飼育頭数2トップの犬猫ですら受け入れ先のない状況、エキゾチックアニマルはかなり難しい存在になる。Twitterでの話題になるが、ハムスター飼育者は随分困っているようだった。避難所でやはり受け入れてもらえず、「逃がしてしまえばいいのに」という辛辣な言葉を向けられた人もいる。

犬猫より一層理解を得づらいのだろう。やっと見つけた受け入れ先で、他のペットから怪我をさせられた、というトラブルも聞いた。ハムスターの場合、体躯が小さい上そもそも被捕食動物であるので、他の動物とトラブルになるとひとたまりもない。

やはり日頃の備えが大事なのは言うまでもないが、備えがないまま起きてしまった場合には、やれることを最大限考え出すしかなかろうと思う。以下に記すのは筆者が考えるハムスターの場合の対処方法である。

 

・「できれば」ケージごと避難
慣れた匂いのものに囲まれていたほうがハムスターは安心する。かなり大きいケージで飼っている、多頭飼いしているなどがなければ、そのまま避難が望ましいと思われる。

 

・「できれば」車内に避難させる
ハムスターは夜行性で、明るくうるさい場所を好まない。匂いにも敏感だ。避難所にはたくさんの人がいて雑多な音やニオイがあるため、車などある程度周りと遮断できる空間があるならそちらの方がストレスが少ないと考える。もちろん換気は忘れずに。車はかなり車内温度の変化が激しいので、注意は必要だ。

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・野草の確保
ハムスターは植物からだけでも十分に水分を摂取することができる。食べられる野草を探せば餌が確保でき、水分補給も可能だ。タンポポ、クローバー、オオバコといった植物は割と人に踏まれやすい場所を好むので、避難所に指定されるような学校や公民館のそばにだいたい生えている。

 

本当は、ペット飼育者への理解が深まり、行政が対応してくれることが一番良く、またエキゾチックアニマルの流行に獣医師の皆さんもどんどん対応してもらえれば、緊急時だけでなく平時にも大変喜ばしいことだと思う。しかし現状では一度最愛のペットが体調を崩せばここには書きたくないような事態が待っている。

例としてハムスターを上げたが、あの小さな体はストレスにも寒さにも弱い。他のエキゾチックアニマルも、犬猫だってそうだとは思うが。飼い主自身のストレスも相当あることと思うが、今回の熊本地震で被災した方々とその小さな家族たちには、なんとか共にこの事態を乗り越えてほしいと、遠くから祈っている。

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